数字で見る女性社長の事業承継【前編】

女性の約2割が突然の事業承継を経験 数字でみる 女性社長の事業承継 前編 〜406名の調査から見えた女性事業承継の実態〜 女性の約2割が突然の事業承継を経験 数字でみる 女性社長の事業承継 前編 〜406名の調査から見えた女性事業承継の実態〜

女性社長は、どのような経緯で事業を承継し、どのような課題に向き合ってきたのでしょうか。
明治大学商学部浅井研究室を中心に、ココトモひろばを運営するエヌエヌ生命と女性社長.net(コラボラボ企画運営)が共同で実施したアンケート調査では、男女に共通する課題がある一方で、女性に特徴的な傾向も見えてきました。
前編では、その実態を調査結果と事務局のコメントとともにご紹介します。

先代の急逝をきっかけとした承継が、
女性で 22.7%。男性の約 1.7 倍に

Q.事業承継を決断した理由

「前社長が急逝し、後継者がいなかったため」
と回答した割合

女性22.7% 男性13.4%

ほかの回答では、「前社長の体調不良や家庭事情などで退任せざるを得なくなったため」や、「後継者が育つまでの中継ぎとして必要だったため」も女性の割合が高くなりました。
事業承継のきっかけは人それぞれですが、今回の調査からは、十分な準備がないまま経営を引き継いだ女性も少なくないことが見えてきます。

事業承継に関するアンケート調査(表14)より

女性に特徴的だった
配偶者からの承継」

Q.現社長はどなたからの事業承継か

「親族(父母)から承継した」と回答した割合 女性47.5% 男性51.9%
「親族(配偶者)から承継した」と回答した割合 女性22.3% 男性0.8%

女性は「配偶者から承継」が 22.3%と、男女差が印象的でした。配偶者からの承継は、準備期間が短かったり、突然担うことになったりする場合もあります。事業や従業員、取引先を守る重みを感じる時に、同じ立場の方の声が支えになる場面も多いのではないでしょうか。

事業承継に関するアンケート調査(表6)より

承継に伴う苦労。
男女差が大きかったのは「家庭との両立

Q.承継に伴い苦しかったこと

家庭(家事・子育て・介護)との両立
難しかったこと」と回答した割合

女性30.3% 男性4.5%

事業を引き継いだからといって、家庭で担っている役割がなくなるわけではありません。経営者としての責任と、家庭での役割の両方を抱えながら歩んできた方が多いことがうかがえます。

事業承継に関するアンケート調査(表20)より

意図せず、突然、社長となったこと
と回答した割合

女性27.3% 男性13.4%

女性は男性と比べて、突発的な承継や家庭との両立など、特徴的な課題が見られ「まさか自分が社長になるとは思っていなかった」そんな気持ちで事業承継を経験した方もいるように見受けられます。一方で、経営に必要な知識や資金面に関する課題は、男女を問わず共通して抱えていることもうかがえます。

事業承継に関するアンケート調査(表20)より

承継前の歩みは一つではない

Q.承継前までの現社長の就業経験

承継した企業に関与せず自営業・フリーランスで就業 女性10.6% 男性3.9%/承継した企業と同業種の他社・組織での勤務(5年以上)女性8.8% 男性24.7%

女性は「承継企業に関与しない自営業・フリーランス」が 10.6%と、男性より高い結果でした。一方で、承継前から社内で経理や総務を担い、会社を支えてきた方もいます。歩んできた道は一つではなく、それぞれの経験が承継後の力になっているのだと感じます。

事業承継に関するアンケート調査(表8)より

承継後に感じた、周囲からの応援

Q.周囲からの対応や反応の変化

「顧客や取引先から励ましや
応援の言葉をもらった
」と回答した割合

女性43.3% 男性36.9%

女性は「顧客や取引先から励ましや応援の言葉をもらった」が 43.3%と、男性より高い結果でした。一方で、周囲に相談しづらく、重荷を一人で抱えている方もいるかもしれません。そんな時に、ココトモひろばが少しでも支えになれたらと思います。

事業承継に関するアンケート調査(表29)より

調査チームより集計結果から見えた「承継の現実」

「承継は経営の
引き継ぎだけではない」

浅井 義裕 教授

明治大学
商学部

浅井 義裕 教授

本研究では、前経営者の急逝や病気などによる突発的な事業承継が、後継者に大きな負担をもたらしていることが確認されました。事業承継では、経営だけでなく、組織や家族との関係など、さまざまな課題への対応が求められます。今回の結果が、同じような経験をされた後継者の皆さまへの理解や支援を考えるきっかけになれば幸いです。

「突然の事業承継は、
決して珍しくない」

小橋 秀司

エヌエヌ生命保険株式会社
事業開発部

小橋 秀司

突然の事業承継が、決して珍しいものではないことが明らかになりました。特に女性では、2割以上が先代社長の急逝をきっかけに事業を承継されています。同じような経験をしながら経営に向き合っている後継者は数多くいます。決して一人ではありません。この調査結果が、少しでも皆さまのお力になればと思います。

「女性だからこその悩みが、
確かに存在している」

横田 響子

株式会社コラボラボ
女性社長.net

横田 響子

私たちは日頃から、女性社長の皆さまより、突然の承継や承継後の不安について多くの声を伺っています。今回の調査結果は、そうした現場での実感とも重なるものでした。一人で抱え込まず、同じ立場の経営者とつながることも、大きな支えになると思います。ふと気持ちを吐き出したくなった時、同じ立場の方の経験を聞きたい時に、ぜひ「ココトモひろば」にお越しください。

調査概要

調査主体:
明治大学商学部 浅井義裕教授
調査協力:
エヌエヌ生命保険株式会社、株式会社コラボラボ(女性社長.net企画運営)
調査実施:
株式会社東京商工リサーチ(TSR)
調査対象:
事業承継を経験した経営者
発送数:
3,000名(女性2,000名、男性1,000名)
回答数:
406名(回収率13.5%)
調査期間:
2025年10月1日〜2025年10月31日
調査方法:
郵送アンケート調査

本調査の速報結果は、明治大学商学部 浅井義裕教授によるディスカッションペーパーとして以下に公開されています。
https://www.meiji.ac.jp/shogaku/shogakudp.html

女性の事業承継を支援する
サービスのご紹介

女性後継者 支援団体ネットワーク

「女性のための事業承継ステーション」

女性のための事業承継ステーション

経営者の妻のための情報サイト

「つぐのわ」

つぐのわ
女性社長のココトモひろばってどんなところ?女性社長のココトモひろばってどんなところ?

数字でみる女性社長の事業承継
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